【EVと電気代】(2023年6月 東北電力)オール電化+EVの料金値上げを解説。
経済産業大臣の認可により、電気料金の見直しが決定しました。
今後電気料金が値上がりするのは間違いないのですが、果たして「オール電化&EVユーザー」という、影響をもろに受けそうな我が家が果たしてどうなるのかシミュレーションしました。
- 電気料金計算の基本単位kWhについて
- 「よりそう+ナイト12」新旧価格でシミュレーション
- 夜間のkWh単価30円時代に突入
電気料金計算の基本単位kWhについて
単位は「kWh」という単位を使います。
「kWh」は「どれだけ電気を使ったかの量」です。
100Vで1000W(1kW)のヒーターを1時間(h)使うと、1kWh(キロワット時)です。
5時間使うと、5kWhです。
なお、多くのEVユーザーが使用しているのは3kWの出力の充電コンセントで、1時間あたり3kWhの電力量が充電できます。
「よりそう+ナイト12」新旧価格でシミュレーション
太陽光付きのオール電化は冬に電気使用量が多く、春〜秋は少ないのですが、計算しやすくするために、1年間平均的に電気を使ったとします。
我が家の年間使用量が8400kWh程度なので、1ヶ月700kWh。
昼間使用量を70kWh、夜間使用量を630kWhとして計算します。
2023年5月まで
- 基本料金 1980円
- 昼間料金
- 70kWhまで 26円43銭
- 70~170kWhまで 36円06銭
- それ以上 41円68銭
- 夜間料金 11円92銭
- 燃料調整費単価 4円80銭(7円の軽減あり) ※2023年4月実績
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 3.45円
電気料金=基本料金+(昼間料金×昼間使用量)+(夜間料金×夜間使用量)+(燃料調整費+再エネ賦課金)×(昼間使用量+夜間使用量)
=1980+26.43×70+11.92×630+(4.80+3.45)×(70+630)
=13,759円
2023年6月から
- 基本料金 2,376円00銭
- 昼間料金
- 70kWhまで 35円60銭
- 70~170kWhまで 45円23銭
- それ以上 50円85銭
- 夜間料金 28円48銭
- 燃料調整費単価 -8円88銭(7円の軽減あり) ※2023年6月
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 1.40円
=17,574円
我が家の値上げ幅は約27%
17574/13759=1.27 なので、我が家においては約27%ほどの値上げという結果になりました。
これをどう捉えるか・・・
今回のシミュレーションでは、以下の点に注意が必要です。
- 燃料調整費は2022年6月と比べて6円程度高いが、軽減措置もあり、マイナス8.88円と大きく引かれている。
- 再エネ賦課金が今年、一気に2円近く下がって1.4円になった
ということもあり、個人的には、かなり楽観的なシミュレーションだと思います。
今後、ウクライナ情勢や産油国の思惑などで、世界的に原油、天然ガスの需給が逼迫した場合には、再度急激に燃料調整費が高騰する可能性が高いでしょう。
あとは原発の稼働などでどのくらいエネルギーコストが下がるかですが、これは不透明です。
夜間のkWh単価30円時代に突入
「夜間電力は安い」というオール電化の前提は過去のものかというくらいの金額です。
軽減措置でかろうじて夜間電力は20円台前半に抑えられていますが、2023年10月以降は燃料調整費の補助金額が半額になるので、20円台半ばになります。
オール電化のお宅では月1000kWhというのは、珍しくない使用量で、二世帯などでは2000kWhという使用量もありえます。
そうなると5〜6万円コースです。
EVの自宅充電と急速充電の価格差は縮小
EVはここ数年は自宅で充電する人がほとんどになりました。
この理由は明らかで、日産のZESP2、使い放題プランが終了し、定額分以上は使った分だけ料金がかかり、自宅充電の方がはるかに安かったからです。
充電スポット待ちもかなり軽減されました。
ところが、今回の電気代の値上げで、状況が変わるかもしれません。
安い急速充電器(特にイオンの50kW出力)は300円で25kW入るので、kW単価が20円で、自宅充電より安価です。
その他日産ディーラーの高出力型は(90kW)は最大出力の場合で、kWh単価37円ほどです。
価格差がかなり縮小し、場合によっては外で充電したほうが安いという状況が起こりえます。
今後、会員の充電料金の値上げもあるかも?
上記の通り、自宅充電と外出先での急速充電の価格差がかなり小さくなりました。
事業用の電力料金も上がっているはずなので、今後気にすべきは、「充電会員の会費の値上げ」と思っています。
e-MPはすでに2023年7月からビジター充電の充電料金を出力によって変更することを発表しています。
最もユーザーの多い日産のZESP3がどうなるかに注目です。