【EVと電気代】「電気・ガス価格激変緩和対策事業に係る電気料金の特別措置」が延長!
燃料費高騰。実は電気代も「再上昇」間近です。
ガソリン価格が高騰しています。全国平均で185円を超えてきて、非常に高いです。
我が家は妻の車でガソリン車(シトロエン:C3)があり、しかもハイオク使用なので、ほぼほぼ200円/Lです。ハイオク200円/Lを超えている地域もあるでしょう。
さて、ガソリンと同じく高いのが電気代。2022年末〜2023年春先の時期と比べて補助がある分下がったものの、やっぱり高い。EVユーザーにとって死活問題です。
さて、このブログでも時々取り上げていた「電気・ガス価格激変緩和対策事業に係る電気料金の特別措置」についても2023年8月30日にガソリンと同様に延長が決定されました。
秋冬の電気料金をシミュレーションする上では重要な決定なので、新聞をじっくり読んで確認したのでまとめます。
2023年8月30日の総理発表で分かったこと
今までの補助の推移と10月以降の決定事項
- 2023年1~8月に使用し、2~9月に請求される電気料金→7円/kWhが自動で差し引かれる
- 2023年9月に使用し、10月に請求される電気料金→3.5円/kWhが自動で差し引かれる
- 2023年10月に使用し、11月に請求される電気料金→延長が決定(←今ココ)
具体的な支援の金額ですが、日経電子版によると
提言案は2023年1〜9月使用分を対象に講じてきた電気・都市ガスの料金の負担軽減策にも触れた。「経済対策が実施されるまでの間、9月末までの支援を継続」するよう提案した。
自民党、ガソリン補助金の拡充議論 「年末まで延長を」
日経電子版 2023年8月29日 11:58
とあることから、上記の②、2023年9月使用分(10月請求)の-3.5円/kWhが継続されるものと受け取れます。
終了時期について
そして、気になるのが、「いつまで継続されるのか?」ですが、これについては、
10月から始める電気・ガス料金の支援には年末までの3カ月間で4500億円が必要と見積もる。ガソリンと合わせて必要なのはおよそ1.3兆円で、予算残額の3.2兆円からまかなえる。ガソリンや電気などの補助を23年末まで延ばしても既存予算で足りることになる。
燃油・電気ガス補助、年末までに1.3兆円 政府試算
日経電子版 2023年8月31日 19:59
と政府が試算していることから、-3.5円/kWhを10〜12月使用分(2023年11〜2024年1月請求分)までが補助されると読み取れます。
消費者として想定されること
8月までと同じ-7円/kWhだったら、助かりますが・・・それはなさそうです。
現在のエネルギー価格の高騰は円安が大きく影響していることを考えると、年末までに円安が逆回転して急に円高になることはないでしょう。
そう考えると、再延長も必要な可能性が大と考えるのが自然で、政府としても予算残額を使い切るようなことはしないでしょう。
そうなると2023年内はどのようなことが起こるのでしょうか。
まず最初に、2023年9月使用分から、単価が3.5円上昇(補助が3.5円減少)するので、オール電化やEV使用家庭など使用量が多い家庭ほど2023年10月の請求金額は高くなります。
500kWhの月間使用量で1,750円、夏ではあまりいないかもしれませんが、1000kWh使う過程では3,500円の上昇です。
次に3.5円の単価上昇の状態で冬を迎えます。必然的に電力使用量が増える時期で、オール電化家庭などは、負担を感じやすいです。
東北電力「よりそう+ナイト12」のシミュレーション
我が家は東北電力の「よりそう+ナイト12」のプランですが、9月、10月使用分の料金単価は次の通りです。
まずは夜間料金
夜間料金単価 (21-9時) | 燃料調整費(うち補助分) | 再エネ賦課金 | 夜間料金単価 合計(円/kWh) | |
2023年 8月使用分(9月請求分) | 28.48円 | -11.32円(-7円) | 1.4円 | 18.56円 |
2023年 9月使用分(10月請求分) | -12.47円(-3.5円) | 17.41円 | ||
2023年 10月使用分(11月請求分) | -9.67円(-3.5円) | 20.21円 |
続いて昼間料金
昼間料金単価 (9時-21時) | 燃料調整費(うち補助分) | 再エネ賦課金 | 夜間料金単価 合計(円/kWh) | |
2023年 8月使用分(9月請求分) | 35.60 ~50.85円 | -11.32円(-7円) | 1.4円 | 25.68~40.93円 |
2023年9月 使用分(10月請求分) | -12.47円(-3.5円) | 24.53~39.78円 | ||
2023年10月 使用(11月請求分) | -9.67円(-3.5円) | 27.33~42.58円 |
全て夜間料金を使ったとしても、基本料金2376円と合わせて、1000kWhで2.2万円は確定です。実際には、昼間料金も入るので、もう少し高くなり、1000kWhで大体2.3~2.5万円程度になると思います。
結論:2023年末は2~2.5万円前後の電気代を覚悟
(補足)2022年~23年の冬シーズンとの違い
ガスや原油の発電用燃料価格が電気代に反映されるのは何ヶ月後でしょうか?
各月分の燃料費調整単価は、3か月間の貿易統計価格にもとづき算定し、2か月後の電気料金に反映します。
東京電力ホームページより
3ヶ月平均を元に2ヶ月に反映と言うことなので、発電用の燃料価格が燃料調整費として電気代に完全に反映されるには、4-5ヶ月くらいかかります。
2022年11月〜2023年3月までとても高かったのは、2022年6~10月の原油、ガス価格が大きく上昇したのが原因です。
2023年の6~8月は2022年と比べて2~3割程度安く抑えられているので、ことから、燃料調整費は2022年末〜2023年春ほどとはならないと思われます。
そう考えると、「電気・ガス価格激変緩和対策事業に係る電気料金の特別措置」がどこまで延長されるのか、という点が最も負担に影響するでしょう。
まとめ
- ガソリン、電気・ガスいずれも補助が年内は継続
- 予備費活用のため、盛大な補助とはなりにくい
- 電気代削減の補助金額は、明言されていないが、-3.5円/kWhが継続する可能性が高い
- 発電用の燃料価格は2023年8月現在、昨年よりは安いので、年内の大幅な燃料調整費の上昇はなさそう
- 2023年末は東北電力の「よりそう+ナイト12」プランにおいて、1000kWhのオール電化家庭で、2~2.5万円の電気代を予想