関越自動車道の電気自動車(EV)充電器設置SA・PAのまとめ
<2024年11月16日更新>目次項目の表示順を変更。全体的に構成を変更
東京練馬から湯沢町や魚沼市など豪雪地帯を通過して、長岡JCT(新潟)までを結ぶ関越自動車道。SA、PAに設置された充電器の情報や、関越道の充電のポイントについて、雪国新潟のEVユーザーが解説します。
冬季の関越自動車道のEV充電のポイント
冬の関越道は赤城高原〜越後川口まで降雪・強風・低温などかなり気象条件が悪いです。
- 大雪で通行止めの可能性が発表されているときにはEV・ガソリン車問わず県境付近の豪雪地に向かわない(立ち往生の危険)。
- スタッドレスタイヤが12-3月は必須。電費にはマイナス(約1割)。
- 赤城から新潟間、冬は氷点下の外気温。バッテリーの性能が低下しやすい(約1割)。
- エアコン(暖房)による航続距離の大幅な減少(1~2割)に注意。ブランケットを複数積んでおくと安心。バッテリーが厳しい場合、シートヒーター+ブランケットでエアコンの使用を控えるなどの対策も必要。
航続距離が400km~あれば東京〜新潟まで一度も充電せずに走破可能です。ただ、2023年現在、多くのEVが実際の航続距離が200~300km程度であり、どこかで1~2回充電が必要です。
この充電をどこでするか、というのが結構重要です。
- 充電器の台数が関東圏に比べて少ない(充電待ちの可能性が高くなる)
- 低温のため、充電スピードが遅くなる(充電電力量が少なく割高となる)
- 冬の新潟は雨や雪が多い為、充電操作や待ち時間が寒くて苦痛
- 越後川口、谷川岳などe-MP認証の充電器の不具合が頻発で充電できないリスクが高い。しかも、下道に降りても急速充電器は皆無(電欠でレッカー移動のリスク)
という理由があり、赤城高原SAより新潟側の充電器を積極的に利用するのはお勧めできません。
できるだけ群馬を抜けて新潟に入るまでにバッテリー残量を回復させておきましょう。
関東から冬の新潟に向かう人は、冬でも晴れが多い駒寄PA(群馬県吉岡町)までに一度で充電をしておくと充電操作で寒い思いをしなくて済みます。
関越自動車道のEV急速充電器設置場所
上下線それぞれのSA/PAを分けて記載しています。
三芳パーキングエリア
ニチコン製のマルチコネクタータイプの充電ユニットです。
不具合が結構多いです。詳しくは上里SAを参照
注意点は、4台で200kWをシェアする形なので、最大出力90kWは充電台数が充電台数が1-2台の時です。
充電速度がどんなに遅くても、「ビジター」は90kW充電器の扱いで、77円/分(2,320円/30分)と高額です。
充電してみて遅ければ次のスポットに向かいましょう。
急速充電の受け入れ能力が低めな車種、日産サクラ(最大30kW)や、アウトランダーPHEV(最大40kW弱)は特に割高になります。
一方、e-Mobility Power会員やZESP3(日産)などの会員は出力による料金区分がないので、あまり気にしなくていいと思います。
三芳パーキングエリア(上り)
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:最大90kW(200kWを4台でシェア)
- ビジター充電料金:77円/分
- 充電待ちスペースなし
- 屋根なし
- 照明あり
三芳パーキングエリア(下り)
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:最大90kW(200kWを4台でシェア)
- ビジター充電料金:77円/分
- 充電待ちスペースなし
- 屋根なし
- 照明あり
高坂サービスエリア
サービスエリアは上下線で別々に設置されていますが、上下線のSAを人が行き来できます(車は往来できません)。
下り線にドッグランが設置されており、多くのワンちゃんの姿が見られます。
駐車台数はかなり多い大型サービスエリアですが、充電器はJCNの旧タイプです。
高坂サービスエリア(上り)
圏央道に入る前の最後の充電スポットです。
- ビジター利用:JCNパスワード認証
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電器コード:11307
高坂サービスエリア(下り)
三芳PA、上里SAがビジターには「e-Mobility Power」の新型充電器のため、パスワード認証で決済したい場合はここ。
バイクの駐車スペースの隣にあります。
- ビジター利用:JCNパスワード認証
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電器コード:11308
嵐山パーキングエリア
嵐山パーキングエリア(上り)
退出路の途中にあります。通り過ぎないように注意。
屋根も照明もないので、雨の時には少し大変かもしれません。
- ビジター利用:JCNパスワード認証
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 屋根:なし
- 照明:なし
嵐山パーキングエリア(下り)
パーキングエリアの退出路の最後にあります。充電スペースとしては、車の往来が多く、不安を感じます。
充電の際には、往来する車に十分注意しましょう。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:11310)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
上里サービスエリア
以前は44kWの日産型が1台でしたが、2023年初めにに更新され、設置台数がびっくり6台。しかも90kWの高出力
ただし、6台で200kWをシェアする形なので、最大出力90kWは充電台数が充電台数が1-2台の時です。
台数が多い分、三芳よりも最大出力の恩恵を受ける機会は少なそうです。
設置後早々に認証エラーが多数発生、一時的な措置として認証なしで運用(つまり無料で解放)していた充電スポット。
ニチコン製マルチタイプ充電器 認証不具合の解消および運用変更のお知らせ(e-Mobility Power公式サイト)
2023年9月現在では認証・課金は通常通り行われているようですが、別の問題が発生中。
特に輸入車EVにおいて、出力が大幅に低下する現象が多数報告されています。
- ヒョンデ IONIQ:出力50kW(1台使用時)
- テスラ モデル3;出力18kW(1台使用時)
- Volvo C40 Recharge:出力34kW(1台使用時)
充電台数によって出力制御をかけていて、車側の対応状況によって最大出力が出ない状況に陥るようです。
車側のソフトウェアのアップデート状況により高速になったという報告もあり、どのくらいの出力が出るかは自分の車を充電して確かめるほかなさそうです。
こちらも三芳PAと同じく、どんなに充電が遅くても、ビジターの充電料金は90kW充電器の扱いで、77円/分と高額です。
充電してみて遅ければ次のスポットに向かいましょう。
気温18度、バッテリー残量13%、バッテリー温度良好の状態
充電中の車が4台の時に71kWの出力、5台目の車が充電を始めた時には34kWに出力低下
ATTO3(BYD)、モデルS(テスラ)、ARIYA(日産)、LEAF(日産)、LEAF e+(日産)
上里SA(上り)
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:最大90kW(200kWを6台でシェア)
- 同時充電台数:6台
- ビジター充電料金:77円/分
- 充電待ちスペースなし
- 屋根なし
- 照明あり
上里SA(下り)
SAの出口近くにあります。6台の充電器が並んでいるのは圧巻です
吊り下げタイプのケーブルで断線が起こりにくいことと、車に接触しにくいことがメリットです。
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:最大90kW(200kWを6台でシェア)
- 同時充電台数:6台
- ビジター充電料金:77円/分
- 充電待ちスペースなし
- 屋根なし
- 照明あり
駒寄パーキングエリア
急速充電器は下り線のみに設置されています。
東京方面はこの先、充電器が豊富にあり、降雪や低温といったEVに厳しい条件はあまりないですが、上里までは23kmほど離れています。
駒寄PA(上り)
上り線には急速充電器の設置がありません
駒寄PA(下り)
パーキングエリアに入ってすぐ、駐車スペースの始まり付近にあります。
認証機一体型、あまり見ないタイプのJCN充電器です。
この先、新潟方面の充電器が設置されているSA/PAは厳しい寒さや降雪地となります。
寒い中での充電は辛いです。冬場は、駒寄で充電して一気に目的地まで行けるといいでしょう。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:10310 ※嵐山PAと同じ)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根なし
- 照明なし
谷川岳パーキングエリア
「谷川岳の六年水」を汲むために、PAながら、それなりの来客があります。冬は厳しい寒さなので閑散としています。
2023年に更新され、上下線ともに90kWと出力が大きく、2台同時充電、屋根付きと豪雪地仕様ですが、77円/分と割高。30分のビジター充電で2,310円と高額なので、早々と切り上げたいところ。
標高が高く、冬は降雪、低温などEVに厳しい環境のため、充電器は高出力でも充電スピードが遅くなりがち。バッテリーに余裕があれば、スキップして次のSAを目指すのも方法。
ビジターはe-MPのアプリ使用が必須のため、トラブルも多いです。私自身もここで、どうしても充電器が停止できず、「緊急停止ボタン」を使用した経験があります。
バッテリー残量ギリギリで到着すると、エラーで充電できずにレッカー送りとなる懸念もあるので、ギリギリで谷川岳PAに到達するのは避けましょう。
谷川岳PA(上り)
新潟県と群馬県をつなぐ関越トンネルを群馬側に抜けるとすぐに入り口があるパーキングエリア。
パーキングエリアに入るまでにチェーン装着場など、クネクネした道順を辿るのでゆっくり走りましょう。
谷川岳PA(下り)に比べて、PA全体が古く、狭い中に大型の充電施設を設置しています。
水汲み場のすぐ近くで、EV以外の車が頻繁出入りするため、充電前後の車の移動には十分注意しましょう。
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:90kW
- ビジター充電料金:77円/分
- 同時充電台数:2台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
谷川岳PA(下り)
関越トンネルに入る直前のPA。谷川岳PA(上り)に比べてPA全体が新しく、PAへの侵入から、充電器エリアへの動線などもスムーズです。
関越トンネル内は平坦、トンネル後は急な下りが10km続くので、回生ブレーキをうまく使えば、バッテリーをあまり使わずに塩沢石打まで到達可能です。
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力:90kW
- ビジター充電料金:77円/分
- 同時充電台数:2台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
赤城高原サービスエリア
高原であり、比較的冷涼なところにある大規模サービスエリア。東京〜新潟のほぼ中間地点。冬場は気温が低く、大雪になることもあるので注意。
飲食はもちろん、特産品販売などショッピングも充実
天気がいい春〜秋であれば、施設裏の広場からの眺めも良い。休憩にはおすすめのSAです。
赤城高原SA(上り)
建物からは離れていて、退出路の途中にあります。
駐車しやすく、出庫しやすい位置ですが、天候が悪い時は充電操作中にずぶ濡れになります。また、充電器の液晶部分が天候により劣化し見づらくなっています。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:10301)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根なし
- 照明なし
赤城高原SA(下り)
SAへ侵入後、店舗施設から向かって右側にあります。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:10302)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根なし
- 照明なし
塩沢石打サービスエリア
塩沢石打サービスエリア(上り)
塩沢石打SAを出てから関越トンネルまでは上り坂が続きます。30km程度で谷川岳に到着できますが、バッテリー容量には十分余裕を持っておきましょう。
上り坂車線もあるので、バッテリーの消耗を抑えたい場合は、積極的に利用してスピードを落としましょう。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:15301)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
- 次の充電スポット:谷川岳PA(上り)29.4km(きつい上り)その後関越トンネル(平坦)
塩沢石打サービスエリア(下り)
関越トンネルを抜けてからの長い下り坂でバッテリー容量が回復しやすく、スキップすることが多い充電スポット。
ただし、次の越後川口SAの充電器がe-MPアプリ必須の充電器なので、エラーが出て充電できない事態も想定しておきましょう。
枯れた技術で安定しているJCNのパスワード認証の充電器なので、ある意味安心して使える充電器です。
- ビジター利用:JCNパスワード認証(充電器コード:15302)
- 出力:40kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
- 次の充電スポット:越後川口SA(下り)45.2km(平坦)
越後川口サービスエリア
冬場は積雪がかなり多いエリアですが、除雪は素早く実施されるので、大雪で充電できないということはまずないでしょう。
上下線共に、建物の目の前に充電スペースが位置しており、屋根付きです。冬の吹雪や夏の直射日光などを凌げる、ありがたい充電スポットです。
館内には長岡市山古志で有名な錦鯉の大きな水槽があります。
天気が良ければ展望台からの眺めは素晴らしいです(冬以外)。
2023年に入って、上下線ともに充電器の入れ替えがありました。それに伴い、ビジターはJCNのパスワード認証から、不具合の多いe-MPのアプリが必須になっているので注意。
※2023年9月現在、テスラ車、ベンツ、ポルシェタンカンなど、主に輸入EV車において、e-MPアプリでのビジター充電で認証完了後にエラーが出て充電できない(課金はされる)不具合が多数報告されています。
テスラ+ZESP3認証でもエラー報告があります。豪雪地帯であり、下道に降りても、小出、小千谷市街地までまともな急速充電器がありません。バッテリー残量には十分注意してください。
越後川口SA(上り)
新潟市中心部から越後川口SAで約100kmの走行距離です。次の充電スポットである塩沢石打SAまではここから50kmほど離れています。
24kWhリーフ、サクラ、e-NV200など航続距離の短いEVユーザーは、冬場はここから先、関越トンネルまでが厳しい道のりになります。
バッテリー残量に余裕を持って出発してください。
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力50kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
- 次の充電スポット:塩沢石打SA(上り)47.2km(平坦)
越後川口SA(下り)
下り線はここまで来ればあとは新潟市(北陸道)までは平坦な道のりなので大幅にバッテリーを消耗することはありません。天候もこの先は県境に比べて穏やかなことが多いです。
- ビジター利用:e-Mobility-Powerアプリ必須
- 出力50kW
- ビジター充電料金:55円/分
- 同時充電台数:1台
- 充電待ちスペース:なし
- 屋根あり
- 照明あり
- 次の充電スポット
- 【新潟・山形方面】北陸自動車道(下り)栄PA(下り)45.2km(平坦)
- 【上越・富山方面】北陸自動車道(上り)米山SA(上り)59.3km(勾配あり)