【EVオーナーレポ】e-NV200(24kWh)中古の航続距離など

e-NV200 5年間レポート
nobux969

私は現在は2019年式のリーフe+に乗っていますが、その前は、同じく日産の2015年式e-NV200に乗っていました。

あまり知られていないEVなので、知らない人も多いと思います。「初期のEVがどのようなものだったのか」という点で参考になると思うので記録しておきます。

e-NV200(ニッサンMI ZAA-ME0)ワゴンの主な仕様

  • バッテリー容量:24kWh
  • 航続可能距離:185km (JC08モード)
  • 車両重量:1660kg
  • 乗車定員;7人
  • EV専用NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)標準装備
  • バックビューモニター あり

e-NV200のメリット

EV+バンというパッケージング

2015年当時、バッテリーの性能(容量)が低かったこともあり、小型車に小容量のバッテリーを積む、というアプローチが一般的でした。

そのため、選べる電気自動車は初代の日産リーフと、三菱のアイミーブくらいしかありませんでした。

その中に、あえて商用バンのNV200バネットに初代リーフのバッテリーと駆動系を移植して発売したというのは戦略としては面白いものでした。

商用バンだけあって、トランクというより、まさに荷室

  • 親戚の引っ越し、洗濯機など大型家電の運び出し
  • パンクした自転車(大人用)の引き取り
  • たくさんのスキー・スノーボードの荷物は丸ごと荷室へ
  • 早朝から滑るためにスキー場の近くで車中泊

配送から引っ越し、車中泊までなんでもこなせる車両でした。まさに頼れる相棒。

パワープラグ(AC100V/1500W、コンセント2個)

イメージ的には、通常は車両とは別ユニットとして提供されるV2L(Vehicle to Load:EVの発電能力を活用し、電気機器に電力供給を行う装置)が内蔵されたものです。

ニチコン Power Mover

これがなかなかいい装備でした。車両を駐車した状態はもちろん、走行時でも家庭用コンセントが後部座席で使用できる点でV2Lよりも優れています

走行用バッテリーから電気を変換するので、航続距離は短くなりますが、夢がありました。

  • ホットプレートをキャンプ場に持って行って、オール電化バーベキュー
  • 電子レンジを荷室に積載してスキー場でレトルトカレーをレンチン
  • ミニホットカーペットを敷いてこたつ&昼寝スペース
  • 安い夜間電力をe-NV200を充電し、翌日に車両から電気を出力して電気代削減

など色々使い道がありました。

ZESP2時代で「旅ホーダイ」

e-NV200と直接は関係ないのですが、e-NV200が売られていた頃は、日産がZESP2、「旅ホーダイ」をやっていた頃です。

月額2000円を払えば、日産ディーラーはもちろん、高速道路から、イオン、道の駅まで急速充電し放題という今では考えられないサービスでした。

その後、充電マナーの問題や、充電待ち増加、ディーラーの電気代負担が高額となるなど様々な問題が発生してZESP2は終了します。

さすが商用車の維持費の安さ

かなり重い車両ながら、タイヤは15インチ。タイヤはインチが大きくなると、値段もどんどん高くなるので、15インチはお財布に優しいです。

また、EVなら、エンジンオイルやオイルフィルター、タイミングベルトなどガソリン車で必要な消耗品交換がありません。

ブレーキパッド・ディスクも回生ブレーキのおかげで10万km程度では交換は不要でしょう。

車検は税金+α程度です。

e-NV200のデメリット

割と初期のEVということで、デメリットも多かったe-NV200

バッテリー容量が少なく、車体が大きい故の、航続距離の短さ

やはりこれですね。初代リーフと同じ24kWhという容量のバッテリーながら、車両側の要因でリーフよりも航続距離が2割短くなっています。

リーフよりも100kg以上重く、空気抵抗の大きい車体

  • リーフ24kWhの車両重量 航続距離:228km
  • e-NV200 24kWhの車両重量 航続距離;185km

24kWhリーフも代車で真冬に1ヶ月以上乗ったことがありますが、この2割の差がかなり大きく感じました。

バッテリーが劣化してきた4年目以降は、真冬の航続距離は80km~90かも程度で、かなり厳しい状況でした。

24kWhというバッテリー容量

2023年現在では50kWhを超えるバッテリー容量を積んだEVも多く出ていますが、2015年当時ではリーフと同じ容量です。

もちろんリーフも含めて十分な容量ではなかったのですが、技術的にもこのぐらいが限界だったのでしょう。

新潟→埼玉の帰省(330km)で、ガソリン車であれば冬でも4時間で到着できます。無謀にもe-NV200で真冬に帰省したことがありますが、倍の8時間かかりました。

あくまで商用車

EVに限らない話ですが、「バン」という車は商用車です。

つまり「貨物車」で、人が快適に乗るよりも、荷物をいかに効率的にたくさん積むことができるかを重視しています。

商用車とはどのような装備か?

コストを抑えるために、快適装備はかなり省いてあります。

  • ドアミラーは手動(運転席側、助手席側に回って手で開閉)
  • スライドドアだが、手動。オートドアの設定はなし
  • 断熱材・密閉材が最小限。室内側でもボディ直結の金属剥き出し部分が多く、夏暑く、冬寒い。
  • サスペンション(足回り)が耐荷重重視の構造のため、道路のガタガタがダイレクトに伝わる
  • シートが簡素で薄い

通信機能つきのナビが付いていて、EVと聞くと先進性を感じるものの、あくまで商用車なので、ところどころアナログです。

同乗者(家族)からのコメント

同乗者の意見も重要ですね。

  • 充電ばっかりでうんざり
  • 車内がとにかく寒い
  • 横揺れするから車酔いする
  • スライドドアが重い
  • シートが簡素で腰が痛い

散々な言われようです。

e-NV200がお勧めな人、用途

航続距離が短く、快適装備はないですが、それをわかっていれば使い道はあります。中古でバッテリーが多少劣化していても問題ないでしょう。

使えそうな用途をいくつか考えてみました。

(1)商店の配達用車両

1日の走行距離が数百kmという用途ではとても使えませんが、近場のお客さんのところに商品を運ぶという用途には十分使えます。排ガスを出さないので、匂いが出ないのも安心。

お弁当屋さん、お花屋さんなどにお勧めです。

わざわざ給油しに行く手間も省け、本業に専念できます。

ちなみに、私の子供が通う小学校に出入りしている教材屋さんがe-NV200を使っていました。

やはり市内の学童用品屋さんで上履き、体育技、習字セット、算数セットなど、まとまった数を大量に運ぶという用途です。

(2)宿泊施設の送迎用車両

宿泊施設などでお客さんを最寄り駅まで送迎する車両としてはいかがでしょうか。

よくハイエースなどが使われていますね。その代わりです。

宿泊施設の中には、観光地でガソリンスタンドが離れている地域もありますね。ホテルに充電器を設置すれば、スタンドに行く必要はありません。

毎日決まった時間に満タンになり、維持費も激安です。

(3)人とは違ったキャンピングカーが欲しい人

バンがベースなので、キャンプとは相性がいいです。

道の駅には相当数の充電器が設置されているので、車中泊しながら遠出するということもできます。

ただし、ガソリン車に比べて走れない時間が長いので、時間がある方向けです

(4)とりあえず安くEVに乗りたい人

流通量は少ないですが、極めて不人気車のため、2023年11月現在、24kWhであれば、100~150万円くらいで購入できます。

EVには乗りたいけど、リーフではつまらない、という方にお勧め。

私もこのタイプでした。

私は2017年に2年落ちの24kWh ワゴンG7人乗り、2400kmの中古車を購入しましたが、210万円ほどでした。新車の半額以下のバーゲンセールです。

超レアな40kWh版のe-NV200

現在では販売が終了していますが、実は40kWh版のe-NV200もあります。

  • バッテリー容量が24kWh→40kWhに大幅増
  • 航続距離が190km→300km(JC08モード)に大幅増
  • バッテリー保証が5年10万km→8年16万kmへ延長
  • 車両側の普通充電器(普通充電受け入れ能力)が3kW→6kWにUP

バッテリー容量が大きく増えたことで、冬場でも150km程度の運用は可能と思われます。

地味に注目したいのが、リーフ(40kWh)ではオプション扱いの普通充電6kWが標準でついてくること。リーフで悩むオプションなので最初から設定されているのは良心的です。

現在は中古のみでの流通ですが、個人事業主の方、焦点をやられている方、キャンプ好きの方などにはお勧めです。

ただ、日産の認定中古車を検索しても、40kWhのe-NV200は見たことがありません。

e-NV200自体の流通量が相当少ない上に、40kWhモデルは2018年末発売、2019年10月に販売が終了しているので、10ヶ月間だけの販売です。

見つけたら相当レアだと思われます。

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lasit
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雪国EVアンバサダー
スノーボード、キャンプを愛する新潟人。移住10年目。 EVのある雪国のアクティブなライフスタイルをお伝えします。
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